トラブル:ANA旅割は台風に勝てるのか?
10月中旬なんていう季節外れに台風がやってきた2017年。
季節外れだと言われておりますが、実は2017年10月20日は旧暦の9月1日だったので、そう考えると沖縄は旧暦で考えた方がしっくりくるんじゃないかと思う今日この頃です。
しかし、台風は我らが愛する飛行機の天敵。
今回、台風が日本列島を直撃する最中、台風の合間を縫って、飛んで参りました。
2017年に台風情報を睨めっこしながらのフライトは計3レグ。
台風18号時は、復路に予備フライトを用意していたものの土壇場で台風が逸れたので、無事に当初の予定通りに飛びました。
台風21号時は往路は振替便で無事にフライト、復路が予備として取っておいた便の方が欠航で当初予約していた便で帰ってくることができました。
ジェットセッターの方々には当たり前すぎて片腹痛い話かもしれませんが、今回もつくづく飛行機は情報戦だと感じたので、振替云々について今更、記事にしたいと思います。
因みに天候事由ではなく、航空会社事由での振替フライトはこちら過去ブログです。
悲報:欠航レポ(上級会員の真骨頂を見た) - ANAのSFCに成れるのか
台風は事前からの情報収集が命:運航の見通し
台風の場合は突然、欠航になるわけではなく、事前に進路が予想され、運航の見通しが発表されます。
台風以外の悪天候(強風・視界不良などなど)も同じページに発表されますが、前もって悪天候が読めるのは台風位なものですので、情報戦というよりは瞬発力戦になるかと思います。
ANAの場合、台風に関しては運航の見通しがホームページに2日前の18時に掲載されるとされています。
実際には2日前の18時より前に、情報が入り次第、また情報が更新され次第、順次UPされていますで、台風情報が入り次第チェックしてみてください。
完全に直撃する、あるいは、危険すぎる台風の際には2日前から完全全面欠航と相成ることもあります。私は数年前の真夏の那覇行きで経験しました。
運航の見通しを見て、自分が離着陸する空港の名前が掲載されて居る場合には、大幅にフライトスケジュールが狂う可能性が高く、飛んでからもダイバードや引き返し、最悪、欠航もありえます。
運航の見通しに記載されるのは以下の情報になります。
- レベル0(未記載):おそらく通常どおりの運航が見込まれる
- レベル1(黒字):運航の見通しに発着地の空港名の記載がある。遅延・ダイバード・引き返しの可能性があり。
- レベル2(オレンジ):運航の見通しに発着地の空港名がオレンジ色で記載がある。欠航の可能性あり。
- レベル3(未記載):当該便を予約している人へメール配信されたり、デジタル世代でない人はニュースで知って驚愕したりする。
私のフライトは10月21日午後 那覇発便、10月22日午後 関西発便でした。
2日前の19日の午前時点で21日午後 那覇発は名誉のノミネート。欠航が決定して居るわけでもないですし、オレンジ色でも無いので、危険レベル1。
まぁ、大丈夫かもしれないと言えなくもないかもしれない。
しかし、この日は定刻出発でないと次の予定に間に合わない状況で、かつ、間に合わなかったら飛ぶ意味が全くないフライトだったので、迷わず予定変更!
決断と行動は早ければ早いほうがいい!
これは機材トラブルによる欠航を食らった時に心に刻んだ教訓です。
悪天候が事由でのフライトスケジュールの変更
◆国内線/悪天候などが理由の振り替え・払い戻し◆悪天候などが理由の場合、予約変更できる運賃、予約変更できない運賃(一部運賃を除く)ともにインターネットでの予約変更、払戻しが可能です。手順・対象運賃など詳細はこちらよりご確認ください。 https://t.co/KIStRB8vZN
— ANA運航の見通し情報 (@ANA_flight_info) 2017年10月27日
悪天候によるフライトスケジュールは、意外と知られていないのですが、欠航が決まっていなくとも手数料一切なしで変更出来ます。振替は搭乗予定日だった日から1ヶ月以内の空席に、追加徴収なく変更可能です。
「空港で浮かべる欠航の末の苦悶の表情」、「疲れで険悪な夫婦の間にぐったりとスーツケースに寄りかかって寝ている子どもという地獄絵図」が台風情報を伝えるニュースの定番になってしまっていますが、振替だろうが欠航だろうが、空港に行ってから途方にくれる必要はありません。
どんなチケットでも、電話かWebで変更可能です。
旅程そのものをキャンセルする場合には全額返金(手数料等なし)されます。
往路便に合わせて予約していた復路便は悪天候の影響を受けなくとも、往路便をキャンセルした場合、一緒に手数料なしで払い戻しも可能です。
(往路復路をセットでとった場合は同一記録となりますが、往路と復路を別々の予約でとった場合の払い戻しについては厳密な言及はありません。Web上では画一的に払い戻しは通常の条件が適用される他ありませんので、この場合は電話するしかないかと思います。結果、払い戻しして貰える場合もあるかと推測します。)
しかし、もちろん天候に関しては、航空会社には何の責もないので、翌日便に振り替えた時に宿泊料や、羽田の予定が成田便になったなどの交通費の補償等はございません。
(航空会社事由で振替などした場合は15000円まで補償されます。→こちらの記事へ)
欠航の後は、リアル椅子取りゲーム。
先にも申し上げたように、搭乗便の変更は早ければ早いほどいいです。
今は昔、2012年8月中旬ですが、沖縄行きの予定がある時に当時の台風15号が沖縄を直撃することとなり、沖縄唯一の鉄道「ゆいレール」も前々から運休を決定し、もちろん飛行機も早々に全面欠航が決まりました。
夏休みの真っ最中。青い海。青い空。そこは沖縄。
もちろん、ほぼ満席状態からの、空港完全封鎖の全便欠航ですので、一気に何千という乗客が難民と化したわけです。
私の搭乗予定日をX日と表現すると、X-1日とX日が2日間欠航が早々に決定。運航再開は翌日(X+1日)の午後一の予定でした。
私に自動的に振り当てられた振替便は、その翌々日のX+3日の便!
「いや待って。ずれすぎちゃう?」
確かに旅行自体キャンセルする人も相当数いるとはいえ、丸2日間の欠航で2,3000人近い人がシーズン真っ只中に振替したのだから、仕方がないといえば仕方がない。
何の策も取っていない一般マイレージ会員だった私は、散々、飛行機に乗り慣れ、かつ、上級会員たちが思い思いに取った後の後の後の席しか落ちてきません。
しかし、さすがに航空会社が言った便に唯々諾々と搭乗するわけにはいきません。真夏の沖縄でしたが、研修で行く予定だったので、そんなやる気のない態度を見せるわけにはいかんのです。
機材トラブルで欠航になった時にも実感しましたが、席は早い物順です。
悪天候の場合、上級かどうかは関係ございません。自分が変更のために走り出したそこがスタートライン。
(機材トラブル時は上級会員が優遇されるレールが自然と敷かれています。)
さぁ、リアル椅子取りゲーム、開始!
変更不可のチケット持って居る場合
変更不可のチケット(旅割・特割など)を持って居る場合、実際に欠航になった時に「のみ」振替 or 払戻出来る、というわけではございません。
運航の見通しで自分が離発着する空港が黒字・オレンジで表示された時点で変更や払戻をすることが出来ます。
ここ重要!運航の見通しに載った時点から変更可能です。
もう一点重要なポイントは、「変更は一回限り」です。
変更可能なチケットをお持ちの方は、もちろん変更し放題です。変更不可チケットは一回、フライトを変更出来ます。
変更は「一回限り」!?
「一回限り」ですが…もし、便を変更したのに、台風の進路が変わって、変更後のチケットも再び黒字・オレンジになってしまった場合、このような場合は、再び「一回限り」変更可能になります。
変更は可能になりますが、悩みすぎて「あっちの便が良かったかな?いやこっちの便の方が良かったかな?」と考えこんでしまう。もちろん、選んだ便がまた条件付きになったら再振替は可能ですが、時間が経てば経つほどに選べる選択肢が減っていきます。
他の人も続々、振替を始めるのと、搭乗便を早めるという選択肢が時間が経つごとに取りにくくなって行くからです。
そのため、裏技(と言っていいのか疑問)を更に保険をかける方法(やや強引な場所取り)として、別項に記載したいと思います。
予約変更のHow to:結論、自分でやるのが一番早い
予約変更には3つの方法があります。
- Web(HPやアプリから)で自分で予約変更をする
- 電話でオペレーターさんに予約変更をお願いする
- 空港でグランドスタッフさんにお願いする
先に結論を言ってしまったら、特殊な事情がない限りはWebから自力でするのが、変更時も搭乗時も楽です。
オススメ:Webで自力変更
自分の搭乗便に黄色信号が光り始めると、たとえ予約変更できない便のチケットを持っていても、該当便の表示のところに「振替手続きへ」というボタンが出現します。
座席指定も済ませておけば、チェックインを通らずに保安検査にも向かうことが出来るので、安心です。
なんせ台風時の空港のカウンターの列のその長さ、連休中日のネズミーランドもびっくりです。
差額が発生する場合や特殊な券種ではWeb変更出来なかったり、Webでは完結しない場合もありますが、第一選択はWebがおすすめです。
上級会員の方が席選びや空席待ちで有利ということはありますが、Webでの変更自体は平・上級の別なく予約変更を受け付けてくれます。
嬉しがり屋 or 人寂しい or 気長な人にオススメ:電話でオペレーターにお願いする
ちなみに私はプラチナになったばかり(10/9)の嬉しさが余り余って、予約変更のためにプラチナデスクに電話しちゃいました。
携帯だと有料ですが。(ダイヤモンドメンバーは無料です。格差社会。)
基本的に端末を操作するのは電話の向こうのお姉さんで、こちらの希望を伝えながら予約変更を進めます。
しかし、もちろん電話なので、こちらには画面は見えませんから、複数の選択肢を比べて検討するということは、なかなか難しいです。
「もう少し早いのはないですか?」「別の空港では空席ないですか?」などなど、逐一聞いて検討になりますし、手作業での変更ですので、私の場合、往路復路の2区間の変更で15分ほどかかりました。
「えー…でもあんまり遅い便だと、台風が来ちゃうかも…うーん、どうしよぅ〜」とかボヤキながら、変更することができます。一人じゃない、お姉さんが聞いてくれてる。ついでに録音もされてる。
ただ、お姉さんは「この便なら大丈夫ですよ」なーんて迂闊なことは言えないわけですから、フラットに「どうなさいますか?」としか仰らないので、一方通行感は否めません。一人暮らしで声を出したくなった時はおすすめです。
電話するなら便利な携帯認証
電話をすると最初に問い合わせ内容を選択し、自分のマイレージ番号をプッシュする必要があるのですが、Webサイトから携帯認証をしておけば、4桁の暗証番号のみでオペレータに繋いで貰えます。
10桁を入力するだけですが、「wakana様、お電話ありがとうございます」とオペレータに繋がった瞬間に言って貰えるのはちょっとだけ嬉しいです。
ノットオススメ:空港でグランドスタッフさんにお願い
予約変更はチェックインカウンターに居るGSさん、空席待ちカウンターのGSさんにお願いすることが出来ます。
目の前で対応してもらえるので安心感は抜群ですが、おすすめはあまりできません。特に台風など大勢の人が難民化している空港では全くおすすめはできません。
空港で列に並びながら、スマホでぽちぽちしていたら、カウンターに辿りつく前に変更は終わっていることでしょう。
プレミアムカウンターですら、前の人が振替をしていたら後ろに列が出来上がります。
特に旅割などの変更不可チケットを変更するために、お姉さんたちはかなりご苦労される様子です。超時間かかるぅ…GSさんにも、私の後ろに列をなしている方々にも申し訳ない感満載になりました。
特に私は差額が発生した上に、GSさんたちもどう処理していいのか分からなかったようであれこれ試しておられ、かれこれ15分以上カウンターを占拠してしまったように思います。
スムーズに行ったとしても、確認→発券などそれなりに時間がかかりますので、有人でなければ対応できないような特殊な場合を除き、空港カウンターでの振替手続きはやめておこうとこの度、心に誓いました。
しかし、電話よりも対面で対応して頂いているので、融通をきかせてくれるのは空港カウンターが一番です。空席待ちをしてでも、必ず飛行機に搭乗したいという瀬戸際の時には空港にいく必要があると思います。
ちなみに那覇空港ではANAラウンジのGSさんに便の振替を頼むことは出来ないようです。(他空港ががどうなっているのかは、すみません、未確認です。)
復路に関して、優雅に青汁を飲みながら振替手続きをしてもらおうかと考えたのですが、ANAラウンジの端末の種類が違うとのことでした。
しかし、那覇空港のANAスイートラウンジのGSさんは出来るはずです。ダイヤ様の足元にも及ばない身では実体験出来ていませんが、スイートチェックインでチェックイン機能も兼ねているため、空席照会や便の変更可能な端末があることは確実です。
振替の場合の運賃はどうなるの?
無事に振替便の予約変更が出来たら、次に気になるのがお値段。
変更後の便が元の便の運賃より安いという場合や、プレミアムクラスで取っていたが普通席しか確保出来なかった、という場合があると思います。
後者はダウングレードとなり、結構な金額が返って来ます。
私はこれで15000円返って来ました。
元々、普通席が団体で埋まったせいか、普通席運賃(2.6万円)>プレミアム運賃(2.4万円)ということで、プレミアムクラスを取った日でした。
2.4万のプレミアム旅割が1.5万の返金を受けたら、9千円。いや、元々普通席は2.6万円だったんだけど!?
もうよく意味が分からなかったのですが、遠慮しないタイプの日本人なので1.5万円の返金は謹んで受け取りました。
逆に普通席→普通席であれば、振替先の方が運賃の高い便であったとしても、追加徴収はありません。太っ腹!
悪天候に伴うトラブル
ANAが台風を呼んだわけではないので、基本的に航空会社に責任はないのですが、無料での振替便の用意などレガシーキャリアだけあって、手厚いです。
欠航にならなくとも、天候の悪化によって目的地とは違う空港に降り立ってしまうダイバードになってしまった場合、数千円の見舞金が出るそうです。
ANAが台風の原因を作っているわけではないですし、遅延、引き返し、ダイバードなどの可能性を事前に伝えているのでANAが補償しなければいけない道理はないのですが、一度飛べるかもと判断した以上は、ANAの落ち度もあったということでしょうか?
「へぇーへぇーへぇー!」
ま、那覇着だとかでダイバードになっても、代替ルートはないんですけどね。
どうしても席を確保したい人のためのやや強引な場所取り
便を振り替えたとしても、台風は気まぐれに方向を変えたり、速度を変えたりします。
振替便が条件付きになったら、再び、予約変更は可能にはなるものの、運航見通しを待ってからの行動では周りに遅れを取ってしまい、代替便が取れないかもしれないという恐怖はつきもの。
特に、翌日、仕事で絶対に休めない、という場合もあるでしょう。
道徳にやっていいのか分からないものの、やや強引な方法があります。
別途、キャンセル可能な運賃で希望の便を押さえてしまう、です。
もし予定していた便が飛ぶなら、そのままキャンセル。もし予定していた便が再び条件付きや欠航になったら、振替依頼で自分がキャンセル可能な運賃で押さえていた予約へとすり替えてもらう。
私は実際にやったことはないですが、可能だそうです。
私がやっていた方法は、振替依頼する直前に自分で予約していた便を解約し、出来た空席を取るという方法でした。(背に腹は変えられないとはいえ、ゲスいですよね、汗)
タッチの差でWebや隣のカウンターの人に取られてしまう可能性はゼロではないですが、ほぼ確実に押さえておくことが出来ます。
代替ルートがある場合は、代替ルート分も押さえておいたり…
東京から那覇へ飛ぶとして、台風の速度で東京からの出発が微妙な場合。
- 台風が早く来て欠航するかもしれない→遅い便の予備を押さえる
- 台風が遅く来て欠航するかもしれない→先に台風が抜ける空港の便を押さえる
ということで、新幹線で東京→名古屋に移動し、セントレア発の飛行機で那覇に飛ぶという予備便を取ったこともありました。
絶対に移動しないといけないんだ、という場合に、陸続きだと何とかなるもんだ、と沖縄在住は羨ましく思ったりします。
ただ、飛行機の予備便もないほどに悪天候極めてからの新幹線移動を考えない方が良いです。だいたい、それくらい悪天候になると、新幹線も止まって、在来線も止まって、散々な目に遭う、というのも聞いたりもするので…。
やはり早めに決断し、早めに台風を迂回する経路を確保する、早めに代替便を検討するのが、人がコントロールすることが出来ない台風に対する対処方法だなーと思います。
まとめ
私の悪天候時の見苦しい対処方法について散々長々と記事にしましたが、最終的には諦めも肝要だと思います。
安全や安心のために無理はしない。今日帰れなかったからって実際に死んじゃうようなことはそうそうない。だから、ムリならムリーでいいと思います。
人事を尽くして天命を待つ
台風の中でも危険を冒して出勤するのが日本の美徳みたいなところもありますけど、最近は鉄道も潔いもので、すぐに運休になるので、諦めがついて、いい時代になったな、と思います。
ただ、自力でどうにか出来る部分もあるので、早め行動で台風とうまく付き合いたいものです。
それでも尚且つ言う、
台風対策は早ければ早いほどいいっ!